ファクタリングにかかるコストを分解してみた
ファクタリングは、急な資金調達の必要に迫られたときに、非常に有効な方法のひとつであり、経営者を助けてくれるものです。
金融機関から融資を受けるのとは異なり、返済の責務を負うことがないこともメリットのひとつですが、ただし、そんなファクタリングにも、利用の際にはコストがかかってきます。
せっかく利用するのであれば、できるだけコストを抑えたいというのが、どの経営者にとっても共通の思いでしょう。
ファクタリングのコストは、ファクタリング会社によって大きく異なるという面があります。
なかには、ファクタリング手数料そのものは安くても、他の項目で多額のコストがかかってしまうというケースがありますから、注意しなければなりません。
本記事ではファクタリングにおけるコストの項目と、それぞれどの程度のコストがかかるかという点について解説していきます。
ファクタリング会社と契約してしまった後になって「しまった!」ということになるトラブルを防ぐために、ファクタリングのご利用の前に、ぜひ一度お読みになって、大いに参考にしてください。
必ず発生するコスト、ファクタリング手数料
ファクタリングを利用することによって発生するコストとは何でしょうか。
まず第一に、手数料があげられます。
ファクタリング会社も商売でやっていることですから、売掛金の金額そのままを入金してくれるわけではありません。
手数料は運営会社が事業を行う上で欠かせないものとして、いくら良心的なファクタリング会社でもゼロということはあり得ません。
ファクタリング手数料は、まず2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで大きく異なります。
2社間というのは、ファクタリングを利用する会社と、ファクタリング会社とで契約を結ぶもので、3社間というのは、それに売掛先企業が加わります。
それぞれの手数料率の相場は、だいたい、次のようなものが一般的でしょう。
・2社間ファクタリングの場合:10%~25%
・3社間ファクタリングの場合:1%~10%
2社間ファクタリングは、契約当事者に売掛先企業が入っていません。
売掛金を実際に回収するのは、ファクタリング利用企業です。
ファクタリング会社にとっては、売掛先から売掛金を直接回収できない分、売掛金を回収できないかもしれないというリスクがあることになります。
このため、ファクタリング会社が直接売掛先企業から売掛金を回収できる3社間ファクタリングと比べると、ファクタリングのコストが高く設定されてしまうことになります。
これは致し方ないところです。
もっとも、実際の手数料率は、ファクタリング会社の経営方針などによって大きく異なっています。
相場はどのくらい? ファクタリングの手数料
売掛金や売掛先企業の信用度によってファクタリング手数料は変化します。
売掛先が有名な大企業だったり、診療報酬や介護報酬のように公的機関であれば、その売掛債権の信用度が高まります。
つまり支払われないかもしれないというリスクが低くなるわけです。
このため、手数料率もそれだけ低く設定されることになります。
また、一度ファクタリングを利用して、同じ売掛先の別の売掛金をファクタリングする場合にも、手数料率は下がりやすくなります。
これは、その売掛先企業、さらにはそのファクタリング利用企業の信用性が増しているからです。
同じ売掛先企業、同じ利用企業であれば、審査作業自体も効率的に行えますから、ファクタリング会社にも歓迎されます。
このため複数回ファクタリングを利用するとそのようなメリットがあるわけです。
ただし、どの程度下がるかということは、実際の審査で決まるので、ここで一概に何%下がるということはいえません。
印紙代というコストをどちらが負担するか確認しよう
2社間にせよ、3社間にせよ、ファクタリングを利用する際には契約を結ぶことになりますが、この契約書は、債権譲渡に関する契約書に該当するため、印紙税の対象となる「課税文書」にあたります。
といっても、大きな金額ではありません。印紙税の金額は200円です。
【 国税庁:質疑応答事例 】
売掛債権譲渡契約書
細かいことですが、この印紙税はファクタリング会社が負担する場合と、利用企業に請求される場合があります。
どちらが負担すべきかということは、ファクタリング会社次第ということになりますので、事前に確認したほうがいいでしょう。
登録免許税のコストが生じる場合もある
さて、ここからはファクタリング会社によって、また審査によって必要になる手続きについて説明します。
まず債権譲渡登記について取り上げます。
2社間ファクタリングの場合では、債権譲渡登記の手続きを求められる場合があります。
この場合は、7,500円の登録免許税が必要です。
また登記事項証明書が必要となる場合は、480~600円の手数料が別途かかります。
この際、ファクタリング会社によっては、登記を司法書士に依頼する場合があります。
その場合は5~10万円程度の司法書士報酬が別に必要になります。
この報酬には、別途消費税もかかります。
こうした費用も、ファクタリング会社によって、利用企業に請求されるかどうかは異なります。
意外と大きな金額になることがありますので、契約を締結するまでには入念にチェックすべき項目です。
それ以外のコストとして事務手数料を徴収する会社も
さらに、ファクタリング会社によっては、ここまでに説明した費用のほかに、事務手数料を計上するところがあります。
もし、契約書にそのような文言を発見したら、その金額だけでなく、事務手数料をファクタリング手数料と別に徴収する理由もきちんと確認しましょう。
ホームページなどで大きく、安いファクタリング手数料を売り物にしているようなファクタリング会社であっても、よくよく見たり話を聞いたりすると、事務手数料が別に必要だったりして、ファクタリング手数料と足すと、ちっともお得ではないということも考えられます。
大きな損をすることになりますから、見かけの手数料率だけを比較して選んでしまうことのないように十分に注意してください。
複数のファクタリング会社から相見積りをとって比較する際には、必ずトータルコストで比べてください。
忘れがちなコスト、交通費や宿泊費
ファクタリングのコストということで考えていくと、もともと自社が負担することになるような項目にも意識しておきたいものです。
たとえば、ファクタリング会社と面談をするために必要な交通費や宿泊費。
これは、とくに地方で会社を経営されている皆さんの場合には、重要なコストになります。
多くのファクタリング会社では、面談が必須となっています。
近場にある場合ならあまり神経質になることはないでしょうけれども、多くのファクタリング会社は東京などの大都市に集中していますから、地方から東京まで面談に赴かなければならないような場合には、交通費もかさんでしまいますし、場合によっては宿泊が必要になる場合もあります。
もし地元にファクタリング会社があった場合、その会社のファクタリング手数料が多少高かったとしても、東京のファクタリング会社に宿泊出張するのにくらべれば、トータルでは安く済む、という場合もあるかもしれません。
消費税のコストは考えなくてもよい
ファクタリングとは売掛債権の譲渡契約です。
このため消費税の課税対象とならないというのが原則です(ただし例外として、司法書士へ依頼した場合の報酬については消費税がかかります)。
このため、事務手数料などの項目が定められていた場合でも、消費税の課税対象とはなりません。
もしファクタリング会社が提示した書類に消費税が課税されているのを見つけたら、その理由をきちんと確認してください。
ファクタリングと消費税の関係については、次の記事で解説しましたので、あわせてご確認ください。
ファクタリングに消費税は原則不要!仕訳の方法を解説します
ファクタリングのコストは融資より高いが、1回限り
このようにみていくと、ファクタリングのコストが、全体的に融資よりも高くなるということは否めません。
融資の場合は、利息制限法の適用を受けるために、次のようになります。
元金 | 年利の上限 | 1か月当たりの利率 |
---|---|---|
10万円未満 | 年20% | 約1.66% |
100万円以上 | 年18% | 約1.5% |
10万円未満 | 年15% | 約1.25% |
ただし、銀行のような金融機関から融資を受ける場合は、この金利よりも利率が低くなることがあります。
一方で、ファクタリングにおいては、その手数料はファクタリング会社の裁量で決まっており、上限などは定められていません。
しかし、たとえファクタリング手数料が3%程度などのようにかなり低い場合であっても、1~2ヶ月の短期融資を行う場合の利息と比べると、ファクタリングのほうがコストが高くなってしまうことが大半です。
逆に、30%というような高い手数料のファクタリング会社で、数十万円の資金調達をすると、融資を受ける場合と比べて20倍以上の費用を支払わなければならない場合もあります。
<例:90万円の資金調達を行う場合>
金融機関からの融資 | ファクタリング |
---|---|
上限利率 1.5%/月=13,500円 ※1か月の短期融資の場合 | 手数料30% 約27万円 ※事務手数料などがかからない場合 |
もし金融機関からの融資を受けることが可能な場合は、ファクタリング以外に融資という資金調達方法をあわせて検討するべきだということが言えます。
ただし、金融機関からの融資には、揃えなければならない資料も多く、審査のための時間も要しますので、急な資金需要には対応することが難しい場合がほとんどです。
また、ファクタリングのコストがかかるのは、融資の金利とは異なり、利用時の1回限りです。
売掛金の買い取りが完了した後のコストが不要だという点は、ファクタリングのメリットとなるでしょう。
ファクタリングと融資との比較については、以下の記事もご参照ください。
銀行の融資条件とファクタリングの違い
レイトラストでかかるコストは手数料のみ!
ここまで、ファクタリングを利用する際に必要になるコストについて解説してきました。
ファクタリング会社のなかには、さまざまな項目のコストを課すため、トータルでコストをみた場合、結局高額になってしまう場合も少なくありません。
私たちレイトラストでは、手数料以外の費用をお客様にご負担いただくことは一切ありません。
トータルでのコストで見れば、レイトラストを選ぶのがベストな選択肢になることが多いと思います。
見かけのファクタリング手数料率にとらわれず、トータルでファクタリングのコストを考えるのがおすすめです。
コストが簡単・明快に理解・把握しやすいことは、後日に起こりえるさまざまなトラブルを防ぐことにつながり、経営者の皆さんや会社を守っていく上でも有効です。
ファクタリングを検討されている経営者の皆さんには、ぜひレイトラストにお気軽にご相談くださることをおすすめします。
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