今さら聞けない 「ファクタリングと手形の違い」とは?

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会社を日々経営している方にとって、「資金繰り」は命綱とも言えるものです。

資金繰りがつかなくなれば、会社は事業を続けることが難しくなってしまいます。

事業の運転資金はつねに確保しておかなければなりません。

しかし、現実は晴ればかりの日ではありません。

どうしても資金繰りが苦しいという局面が必ずあるものです。

手元資金がなくなってしまったら大変なことになります。

そんなときにどうやって運転資金を確保するか。

たとえば、会社の所有不動産などの固定資産を売却することなどにより、運転資金を融通するという手段などが考えられます。

ですが、すぐに現金化できるモノが何もない場合はどうすればよいでしょうか。

そのようなときに便利な方法が、ファクタリングです。

ファクタリングとは、借金をせずに手元に現金を持つことができる新しい仕組みです。

どのような仕組みなのでしょうか、わかりやすく説明してまいります。

ファクタリングって一体どんな仕組み?

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まず、ファクタリングは借金ではないということをきちんと理解しましょう。

商品やサービスを提供して対価を得る事業では、売掛債権が発生します。

お店のように現金商売という業種でない場合、モノを売ったりサービスを提供して、その場で代金を払ってもらうということは、まずないと思います。納品後に、この代金はいくらということを記載した請求書を発行して相手に渡しますよね。これが売掛債権です。

売掛債権は、通常は商品やサービスの納品後、一定期間たって支払いされます。

締め日と支払い日というものです。

たとえば月末までに請求書を発行すれば、翌月末に代金を振り込んでもらえるわけです。

この支払われるまでの「一定期間」は、いわば「ツケ」で売っていることになり、商品は売ったのに代金を払ってもらっていない状態ということになります。

お金が払われるまでは「ツケ」は「売掛債権」ということになります。

帳簿で考えると、商品は減っていますが、まだ商品代金は入ってきていません。

でも、売った相手がつぶれたりなどしない限り、商品代金はすでに会社の資産として計上されています。

つまり、いずれ入ってくるおカネとして、「売掛債権」が存在しているわけです。

上では「末締め翌月末払い」の例を示しましたが、実際の支払日は30日後、60日後など商習慣により様々です。

代金が後で支払われるから安心といっても、それまでは手元には現金がありません。

その間に運転資金が尽きてしまうことも十分考えられます。

「あとで払うから…」と言って仕入れができるなら問題ありませんが、仕入れ元も商売ですから、「支払ってもらえないなら商品を卸さない」と言われてしまいます。

かといって、売掛債権が現金化するまで会社を閉めておくわけにもいきません。

運転資金がなく、資金繰りが詰まってしまう状態というのは、このような場合です。

そこで、その「売掛債権」を、支払日を待つまでもなく、現金化できる方法が、ファクタリングという方法なのです。

ファクタリングは、比較的新しい現金化の方法なのですが、非常に使いやすい仕組みです。

「売掛債権」をひとつの商品と考えればわかりやすいかもしれませんね。「売掛債権」という商品をファクタリング会社に買い取ってもらうわけです。

ファクタリングと手形の違いとメリット

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このファクタリングの仕組み、何かに似ていると思いませんか。

現金化する前の権利を買い取ってもらい、現金化する……そう、昔からある手形割引にファクタリングは似ています。

どちらも期日前に現金化する方法であり、それが手形やファクタリングのメリットであると言えます。

一方、デメリットもあります。

手形を割り引く手形交換所も、ファクタリング会社も慈善事業でやっているわけではありませんので、何%かの手数料が引かれることになります。

手形の額面、売掛最近の額面の満額が現金化されるわけではありません。

手形割引は、「割引」ですから、手形の額面よりも割り引かれます。

ファクタリングも、ファクタリング会社の手数料の分だけ引かれてしまいます。

手形割引の場合は、ほかにもデメリットがあります。

それは、もともとの商品を売った取引先、つまり手形を振り出した企業が倒産したり、または経営危機などで期日に支払いができなくなってしまった場合、代わりに貴社が支払いをしなければならなくなるということです。

これを「貸し倒れリスク」と言います。

このため、帳簿上、貸倒引当金を計上するということが必要になり、余計な会計処理がかかってしまうことになります。

ファクタリングのほうはどうでしょうか。

これはノンリコースのファクタリングの場合ですが、手形とは少し仕組みが異なります。

自社の「売掛債権」は、それをファクタリング会社に売ったことにより、自社の手を離れることになります。

言い方はあまり良くありませんが、あとは、その「売掛債権」がどうなろうと、つまり、商品を売った取引先が倒産して、代金を支払ってくれなかったとしても、そのリスクはファクタリング会社が背負うことになります。

「あの売掛債権は、支払いがなされませんでしたから、そちらが払ってください」というふうにファクタリング会社から請求されることはないのです。

この点、ファクタリングと手形は大きく異なります。

ファクタリング会社と交わすファクタリングの契約は、一種の「売買契約」のようなものだと言えます。

売買された「売掛債権」の内容は、ファクタリング会社が審査をして納得して、買い受けます。

ですから、売掛金が回収できないというリスクは貴社ではなく、「売掛債権」を購入したファクタリング会社が負うことになります。

これはファクタリングの大きなメリットだということが言えます。

ファクタリングは取引先に知られずに現金化できる

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ファクタリングには、ほかにも大きなメリットがあります。

それは、「売掛債権」の相手方、すなわち取引先には知られることなく売掛金を現金化できるということです。

本来であれば、支払い期日になると、取引先は売掛金の全額を貴社へ支払います。

これを、貴社がファクタリングを利用することによって、その期日前(早ければ、貴社がファクタリングの申込みをしたその日に)に、売掛金からファクタリング手数料を引いた金額が貴社の手元に支払われる。それがファクタリングです。

2社間ファクタリングの場合、その後はどうなるかというと、支払い期日に予定通り支払われた売掛金を、ファクタリング会社に渡します。

ファクタリングによって現金を受け取るのも、売掛金を回収してファクタリング会社に渡すのも、どちらもファクタリングを使用した会社ですから、取引先には、ファクタリングを利用したことを知られることがありません。

もし知られてしまうと、資金繰りに困っている、経営状況が悪いらしいなどといった印象を取引先に与えてしまうことになりますよね。取引を打ち切られてしまうなど、その後の事業展開にも支障が出てしまいかねません。

基本的に、ファクタリング会社が相手先の会社に貴社が売掛金の回収を急いでいるといったことを通知することありません。

売っていただいた「売掛債権」は、ファクタリング会社のものです。

2社間の場合、売掛金を回収するだけです。

回収が終われば、ファクタリングは完了です。

取引先との良好な関係を持続したまま、ファクタリングという手法によって、支払い期日よりもずっと早く(場合によっては即日で)売掛金を回収できるというわけです。

ファクタリングには、もうひとつ、3社間ファクタリングというものがあります。

この3社というのは、売掛先、ファクタリング利用企業、そしてファクタリング会社の3社を指します。

3社で契約を結ぶことになりますので、売掛先にも、売掛金を早期に現金化するという事実を知らせ、承諾を得なければならないことになります。

もちろん、取引先がファクタリングに納得していただけるのであれば、問題はありません。

たとえば親会社と子会社というような会社であれば、もともと経営状況や資金繰りの状況などもある程度わかっているわけですから、いまさら隠し立てをする必要はないかもしれません。

しかし、そのような特殊な関係でない限り、今後の事業を考えると、資金不足の状態であるということを取引先に知ってほしい会社は、あまりないでしょう。

ですから、ファクタリングを利用するときに、2社間ファクタリングを選択する場合が大多数を占めています。

2社間ファクタリングは、ファクタリング会社との取引です。

基本ファクタリング会社から外部に知られることはありません。

ファクタリング会社の中には、2社間と3社間のファクタリングの2種類を取り扱っており、思わぬ事務的な手違いによって、2社間ファクタリングなのに、3社間の手続きをしていまうという杜撰な会社もあるようです。

銀行に融資を断られても、ファクタリングの利用は可能

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ファクタリングは、銀行などの金融機関から融資を断られてしまうような場合でも利用可能です。

なぜなら、ファクタリングで主に審査をするのは、「売掛債権」の相手方、貴社の取引先のほうだからです。

売掛先である取引先が倒産してしまうと、当然のことながら売掛金を回収することは不可能になります。

ですから、売掛先企業の信用度、つまりその売掛金をちゃんと期日に回収できるかという見込みを立てるために審査を行います。

一方、ファクタリング利用企業については、たとえ銀行融資がつきづらい債務超過などの経営状況だったとしても、あるいは税金滞納中であっても、ファクタリングによって資金調達をすることは可能です。

融資などでは、ちょっと考えられません。

融資を受けることが難しい場合ということでいうと、個人事業主や創業間もないベンチャー企業であっても、もちろんファクタリングを利用することが可能です。

ファクタリングには、赤字企業でも資金調達が可能という見逃せないメリットがあります。資金不足に対応する上で、ファクタリングは力強い味方になるはずです。

私たちレイトラストも、創業1年未満のベンチャー企業様、個人事業主様からも多くのファクタリングのお申込みを頂いております。

レイトラストでは日々、経営者の皆様のご相談にのっていますので、お気軽にお問い合わせください。経験豊富なスタッフがお話を伺います。

もちろん、お問い合わせの秘密も厳守いたしますので、ご安心ください。


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