ファクタリングの契約書でチェックすべき8つのポイント

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経営者の皆さんがよくご存じのとおり、企業間の取引においては、契約書というものが欠かせません。

そして、非常に有効な資金調達方法であるファクタリングにおいても、売掛債権を譲渡するという契約をファクタリング会社と締結することになります。

ただし、ファクタリングにおいては、他の契約書とは異なるポイントがいくつかあります。円滑に資金調達を行うためには、契約書をきちんとチェックし、理解した上で契約することが非常に大切です。

ファクタリングの契約書は思ったよりもボリュームが多いので、戸惑われる方も多いと思います。

しかし、チェックすべきポイントは、じつは限られています。

本記事では、ファクタリングの契約書でチェックすべき8つのポイントを取り上げ、解説していきます

ファクタリングの契約書は複数ある

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ファクタリングの契約書は、複数の種類があるということが特徴です。

そして、まさにその点こそが注意すべき点であるといえます。

締結する契約書はファクタリング会社によって異なりますが、一般的には、以下にあげる書類を用いることが多いと思います。

契約のタイミング契約時に締結する書類の例
初回契約時ファクタリング取引契約書
売掛金買取の依頼時
(初回も含む)
・個別の債権譲渡に関する契約書や申込書
・業務委託契約書
・その他、ファクタリング会社が指定する書類

この表を見ればわかる通り

・基本的な部分の契約は「ファクタリング取引契約書」で取り交わしておく
・個別の売掛金など毎回変わる部分は、そのつど契約書や申込書を取り交わす

といった対応をするファクタリング会社が多くなっています。

毎回、長々とした契約書を作成し取り交わすことは、双方ともに面倒かつ非効率です。

そのため、上記したような方法が使われています。

個別の買取契約では、契約書ではなく、申込書や覚書で対応する場合もあります。

またファクタリング会社や申込内容によっては、上であげたもの以外の書類も取り交わす場合があります。

たとえば、2社間ファクタリングにおいては、売掛先企業から売掛金を回収するのはファクタリング会社ではなく、ファクタリング利用企業になります(回収した金額はそのままファクタリング会社に入金しなければなりません)。

つまりファクタリング会社の回収という業務をファクタリング利用会社が代行しているという形になります。

このため、業務委託契約書が作成される場合もあります。

ファクタリングの契約書でチェックすべきポイント8点

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どのように契約書を取り交わしていても、チェックすべきポイントに大きな違いはありません。

契約書でチェックすべきポイントは、大きく以下の8点に分けられます。

・譲渡契約か融資契約か
・2社間か3社間か
・ノンリコースかどうか、売掛先からの入金遅れに対応できるか
・売掛先に関する報告義務や、回収への協力義務
・売掛金の買取対象は全額か、掛目があるか
・買取手数料率はいくらか
・債権譲渡登記は必要か
・損害賠償や違約金、契約期間や解約方法など

ここから先はそれぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。

契約は譲渡か融資か

ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、資金を受け取るサービスです。

じつは、これに似たサービスが他にもあります。

売掛債権を担保としてお金を借りる「売掛債権担保融資」です。混同する方もいるかもしれません。

注意していただきたいのは、これから締結しようとしている契約が売掛金の「譲渡」なのか「融資」なのかということです。

これは大変重要です。以下の点に注目して見分けるとよいでしょう。

譲渡契約の場合:融資や利息に関する記載がない。または手数料率が提示される。担保は不要
融資契約の場合:融資や利息に関する記載がある。または返済プランが提示される。売掛債権は担保となる

売掛金の譲渡契約をする場合は、利用企業が売掛先から入金された売掛金をファクタリング会社に振り込んだ時点で、手続きが終了することになります。

そのため、融資のように、数ヶ月以上にわたって延々と利息を支払うといった事態は発生しません。

この点を念頭に置いて契約書を読むと、落とし穴に陥らずに済みます。

不明な点がある場合は、納得いくまで説明を受けましょう。

もし契約を急がせるような業者であれば、なおさらのこと注意が必要です。

私たちレイトラストにファクタリングを申し込まれた場合には、譲渡契約とさせて頂きます。

もちろん利息等が発生することは一切ありませんから、資金を受け取った後に、返済のことを気にする必要はありません。ご安心ください。

2社間か3社間か

ファクタリングを利用する方の多くは、売掛先にファクタリングを利用することを秘密にしたいと考えることが多いようです。

そのため、ファクタリング会社と自社の2社間ファクタリングか、それに売掛先企業を加えた3社間ファクタリングか、ということは非常に重要なポイントとなります。

以下の点に着目するとよいでしょう。

2社間の場合:債務者承諾書の提出を要しない
3社間の場合:債務者承諾書の提出が必要

それぞれの違いについては、以下の記事もあわせてご参照ください。

ファクタリングとは 売掛金の買取サービスのこと

もっとも、多くのファクタリング会社では2社間・3社間の両方を扱っています。

このため、「債務者承諾書の提出は、これを猶予することができる」などといった記載がされていることもあると思います。

そういった場合には、契約書だけではどちらかわかりませんので、その旨をファクタリング会社に確認しましょう。

ノンリコースかどうか、売掛先からの入金遅れに対応できるか

ファクタリングがノンリコース(償還請求権なし)であるかどうかということも、きわめて重要なポイントのひとつです。

ファクタリングを利用することによってどうにか資金繰りができ、目の前の危機を回避できたと思ったところに、「売掛先が倒産したから、回収できなかった売掛金を代わって支払え」などという要求をされたら、最悪の場合、こちらまでも倒産しかねません。

ノンリコースかどうかは、契約書できちんと確認する必要があります。

ノンリコースのファクタリングの場合、素直に「売掛先からの回収が不能となった場合でも、御社に負担を求めない」という書き方になっていれば問題はないのですが、契約書にそのように書かれているとは限りません。

もし一読して、内容がわからないと思った場合は、納得するまでファクタリング会社に確認してください。

回収不能とまではいかなくても、売掛先からの入金が遅れるということは十分にあり得ることです。

そうした場合、ファクタリング会社への送金も同じ日数だけ待ってもらわないと、やはり資金繰りに大きく影響してしまうことになります。

そのため、契約書をチェックする際には、売掛先からの入金遅れがあった場合、それに対応してもらえるかかという点も確認したほうがいいでしょう。

なお、契約書がリコース(償還請求権あり)の内容になっている場合は、ファクタリングの利用そのものにリスクが伴うことになります。

この場合は、契約書の内容を変更してもらうか、利用を避けることが賢明です。

レイトラストのファクタリングは、もちろんノンリコースです。ご安心ください。

売掛先に関する報告義務や、回収への協力義務

ファクタリング会社には、譲渡を受けた売掛金を回収できないと、損失になってしまうというリスクがあります。

そのため、利用企業に対して、以下の義務を課してくる場合があります。

・売掛先企業の事業継続が危ぶまれるなど、売掛金が支払われない兆候がみられたら、速やかにファクタリング会社へ報告する
・利用企業はファクタリング会社が行う回収業務に協力する(売掛先への催促など)

もし契約書にこのような条項が含まれている場合は、記載されている内容にしたがって、ファクタリング会社に協力しなければなりません。

この場合も、ノンリコースであれば、売掛金の支払いがなかったからといって代わりに支払いを求められることはありませんので、ご安心ください。

ファクタリング会社からすると、あくまでも「売掛金を売却してお金をもらったので、あとは知らない」という態度をとられないようにしたいという趣旨の内容です。

買取対象額は全額か、掛目があるか

ファクタリング会社に売掛金を買い取ってもらう場合、買取対象額が全額とは限りません。

たとえば医療や介護で3社間ファクタリングを利用する場合は、8割程度の掛目が設定されるケースが多いです。

掛目が設定されるか、あるいは全額が買取対象になるかということは、審査によって決まることも多いです。

そのため契約書には「別途定める」とだけ記載されている場合も少なくありません。

この場合は、審査後にファクタリング会社から提示される条件をしっかり確認し、納得してから契約することが重要です。

買取手数料率はいくらか

売掛金の買取手数料率は、ファクタリングを利用する経営者が最も注目するポイントだと思います。

手数料は、実際には以下の要因で大きく変わります。

・譲渡する売掛債権の金額
・売掛先の信用度
・ファクタリングの利用回数

どの項目がどのくらいの割合かということはファクタリンんぐ会社の運営方針によりますし、上記以外の要因もあるでしょう。

いわばケースバイケースであり、ファクタリングの申込みの都度、個別に提示されるケースもあります。

次の「債権譲渡登記の要否」とともに、契約前に必ず確認しておきましょう。

債権譲渡登記は必要か

債権譲渡登記の有無は、ファクタリングの費用を大きく左右します。

とりわけ手続きを司法書士などに依頼する場合は、5~10万円といった報酬を支払わなければならなくなります。

このため、契約をする際には、以下の点を確認する必要もあります。

・そもそも債権譲渡登記は必須か
・債権譲渡登記を行う場合、手数料はどちらが支払うか

もっとも、債権譲渡登記が必要かどうかということは、審査の結果で決まるケースもあります。

このため、面倒でも、個々の売掛金についてその都度確認することが必要です。

実際には譲渡を行う前に手数料率が提示されますから、その際にあわせて確認するとよいでしょう。

損害賠償や違約金、契約期間や解約方法など

ファクタリング契約も、一般的な契約書と同じように、双方に義務が発生します。

契約に違反すると損害賠償や違約金を支払わなければならない場合がありますから、どのようなケースが該当するかよくチェックする必要があります。

また契約期間や解約する方法、契約を解除できる場合や更新条件などについても確認しておきましょう。

とくに解約のタイミングを間違えると、せっかく受け取った資金をファクタリング会社に返さなければならない場合もあります。注意が必要です。

契約書を読むのは手間がかかるが、後日のトラブルを防ぐためには欠かせない

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ここまで解説したように、ファクタリングの契約書は分量が多く、確認すべきポイントも多岐にわたっています。

どんなに急いでチェックしても数時間を要することになりますから、面倒に思う方もいるでしょう。

しかし契約書を読まずに押印し、契約を締結することは絶対に避けるべきです。

契約書の中には、「リコース」のように、利用会社の経営を危機に陥らせるおそれがある条項や、後日のトラブルにつながる条項があるかもしれないからです。

一刻も早く資金が欲しいようなときこそ、落ち着いてじっくり条項をチェックし、経営者の皆さんに不利な内容が記載されていないか、入念にチェックしてほしいと思います。

もちろん、良いファクタリング企業を選ぶことが最も重要なポイントであるとも言えます。この点については、以下の記事もあわせてお読みください。

ファクタリングは中小企業にこそおすすめしたい資金調達方法

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